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30代社会人でも公認会計士合格の秘訣3つ
最難関、公認会計士の国家試験
公認会計士試験は、公認会計士・監査審査会が毎年実施している国家試験で、公認会計士法が施行された1948年から行われています。
受験資格に年齢や性別、学歴などの決まりはなく、誰でも受験できるのですが、2015年の合格率は10.3%(※)。例年、90%前後の人が不合格になるという試験で、司法試験、医師国家試験と並び最難関三大国家試験といわれています。
※参照元:公認会計士・監査審査会/公認会計士試験の合格発表の概要について(平成27年度)[PDF]
社会人の受験が多い公認会計士国家試験
公認会計士試験は年齢制限が無く受験できる国家試験ですが、難関ということを考慮しているのか、20代、30代の受験生が全体の半分以上を占めています。
また、職業別にみると学生が多いですが、会社員も一定数います。この傾向はずっと続いており、企業のM&Aや海外展開のサポートなど、専門性を持った仕事内容や独自性や地域性を活かせる仕事内容など、将来性が期待できる仕事が多くなってきたことはもちろんのこと年収、社会的ステータス、生涯現役が貫けるなど若いビジネスマン層にとって魅力的な部分が多く、それらが受験者数につながっているといえます。
社会人の公認会計士試験の合格率
令和2年公認会計士試験の願書提出者数は13,231人。最終合格者は1,335人で、合格率は10.1%でした。そのうち、社会人が占める割合はどれぐらいでしょうか?
公認会計士・監査審査会が公表している「令和2年公認会計士試験 合格者調」によると、社会人の合格者数は206人でした(会計士補/会計事務所員/税理士/会社員/公務員/教員/教育・学習支援者の合計)。最終合格者の構成比でみると、社会人が占める割合は15.4%程度しかありません。つまり、合格者のほとんどが学生や現在無職の方ということになります。
また、職業を会社員に限定した場合、合格者はわずか95人。学生の合格率が13.2%であるのに比べて、会社員の合格率は3.8%ですから、会社員が公認会計士試験に合格するのが非常に難しいことが分かります。
とはいえ、まったく合格者がいないわけではありません。社会人・会社員の合格者は毎年必ず出ています。合格率が低いのは事実ですが、なかには願書を提出したものの勉強する時間が取れず、諦め半分で試験に挑んだ方やそもそも試験を受けなかったという社会人もいるでしょう。逆をいえば、働きながらでも公認会計士試験には合格できるということです。
当サイトでは、忙しい社会人に向けて、少ない時間のなかで効率的に学べる通信講座も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参照元:公認会計士・監査審査会/令和2年公認会計士試験 合格者調[PDF]
30代社会人で公認会計士の資格を得る3つの方法
公認会計士になるまでの流れ
受験から公認会計士になるまで約5年かかるといわれており、その間に幾つかの難関があります。
- 短答式試験
- 論文式試験
- 実務経験
- 実務補習所
- 修了考査
マークシート方式の試験で「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」の4科目から出題されます。年2回行われます。また、申請することにより合格年より2年間免除されます。
短答式試験の合格者のみ受験できます。「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4つの必須科目と、4つの選択科目「経営学」「経済学」「統計学」「民法」の内の1科目、合わせて5科目からの出題されます。
この段階で日本公認会計士協会の準会員に登録されます。
準会員に登録後、監査法人に就職。約2年間、正会員を目指して実務経験を積みます。
実務補習所に通うことも公認会計士になるための条件です。本来3年間ですが、2年以上の実務経験がある場合は1年に短縮されます。
卒業試験です。年1回、行われ、修了考査に合格して初めて一人前の公認会計士として世に出ることができます。
独学か学校か
公認会計士になるためには、4科目の必須科目から出題される短答式試験に合格しなければならないのですが、公認会計士に必要な知識から幅広く出題されるため、受験を踏まえた勉強が必要になります。
方法は大きくわけて2つ。独学か学校に行くかです。
公認会計士の試験は、マークシート方式の短答試験と記述式の論文試験の2種類です。マークシート方式なら模範解答があれば自分1人でも添削できますが、文章で解答する論文式は、客観的な視点が必要になってきます。1人よがりの解答では合格を勝ち取ることはできません。
毎年独学での合格者は出ていますが、その数は本当にごくわずか。さらに、試験には自分1人の努力では乗り越えられない壁があるため、社会人にとって独学法は現実的ではなさそうです。
もう1つの方法が学校に行くこと。大学や専門学校など会計の知識を学べると同時に受験対策にも力をいれている学校がたくさんあります。
大学の場合は、経済学部や商学部で学ぶことになりますし、慶応義塾大学や早稲田大学、中央大学など、毎年多くの公認会計士を排出している学校もたくさんあります。ただ、日中仕事をしている社会人には難しい話ですよね。
専門学校であれば夜間のコース通学は可能ですが、突発的な残業など休まざるを得ない状況があるかもしれません。効率よく勉強できますし、受験に特化したカリキュラムも魅力的ですが、毎週、決まった曜日と時間を捻出するのは、社会人には難しいかもしれません。
第3の選択、通信講座で学ぶ
働きながら時間を有効活用して公認会計士の資格取得を目指したいというビジネスマンにうってつけなのは通信講座です。
「専門学校や大学に比べて、授業内容が薄いのでは…」と心配される方もいるかもしれませんが、通信講座の多くは専門学校や予備校をを併設して開校していることが多く、教材やカリキュラムなどがリンクしており、通学している方と同じ授業を受けられる可能性が高いのです。
通信講座のメリットとデメリット
通信講座にはダブルワークの人間ならではの嬉しいメリットがあります。
まず、朝でも深夜でも自分の好きな時間に好きなだけ学べること。学校と違い、WEBやDVDの講義を何度でも見直せるので、納得いくまで学習が進められます。教材が通学組と変わらないのに、料金が安価というのも嬉しいところですね。
メリットがあればデメリットもあります。学習スケジュールの自己管理が必要ですし、質問したくてもサポートが直ぐに受けられないこともあります。
こうした点を踏まえて、公認会計士にはなりたいが、現在の仕事と勉強を両立したいという方は通信講座を検討してはいかがでしょう。
通信講座で合格するために
仕事をしながら公認会計士試験のための受験勉強をこなすのは至難の業。でも、少しの工夫とコツで乗り越えることは可能です。
- 通信講座開始から受験までのスケジュールを把握しよう
- 学習のリズムを大切にする
- 通信講座の試験は、指定された日時で受ける
- 仲間を作ってお互いに同じ目標を目指す
通信講座はリアルタイムで情報が入ってきにくいという難点がありますが、
試験に合わせてカリキュラムを組んでいることも多いので、試験までに講義が何回あって、それに向けて予習と復習にはどれくらいかかるのか全体像を把握してから学習を進めることが大切です。
好きな時に、好きな場所で学習できる。それが通信講座のメリットですが、反面、デメリットでもあります。
人は得意分野や好きなジャンルに偏りがちです。ただ、知らずにそれを繰り返していると学習のボリュームの多い公認会計士試験の場合では、1科目の学習の遅れが致命傷になることも。
1週間、2週間と時間を区切って、全体をリズミカルに学ぶようにしましょう。
通信講座には、必ず答案練習がついてきます。練習問題は、その段階の実力の把握と、学習と進捗状態を学校側が知る重要な機会ですし、自分の能力を知る機会です。
なるべく学校側が指定したスケジュール通りに解答を提出。現状を意識するようにしましょう。
とかくワンサイドになりがちが通信講座ですが、情報収集、モチベーションの維持などの観点から交流できる仲間を作っておきましょう。
チャットやSNS、学習アプリなど、アクセスすればあなたと同じように通信講座で公認会計士を目指す仲間と出会えるはずです。合格までのモチベーションの維持に役立つだけでなく、合格後、同じ業界の仲間として力強い存在になってくれるでしょう。
独学で受験するより確実で、学校に行くより安価な通信講座ですが、そのメリット・デメリットを熟知して、公認会計士試験の合格に向かって走り切りましょう。