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公認会計士試験の過去問対策

どんな分野の試験対策でも、過去にどのような問題が出題されたのかを把握するのは大切ですが、公認会計士試験においても過去問対策は必要なのでしょうか?ここでは、公認会計士試験における過去問対策の必要性、よくある間違った過去問対策、正しい過去問の活用方法をまとめています。

公認会計士試験で過去問対策って必要?

公認会計士試験では、1度出題された問題は繰り返し出ないため、「過去問対策は無意味である」という意見をよく耳にします。しかし、効率的学習や本質的理解の手段としてなら、過去問を利用する価値はあるでしょう。

実際に資格予備校の答練でも過去問は利用されていますし、公認会計士試験に合格している人で過去問対策を行っている人もいます。

過去問対策のメリット

過去問は、非常に実用的な教材

過去問は参考書としても役立つので、普段の学習に取り入れていく必要があります。過去問を利用すれば出題傾向の把握や頻出論点に触れることができ、問題の考え方や論点などをしっかりと理解できるようになるでしょう。もちろん、過去問と全く同じ問題は出ませんが、少しだけ内容を変えた問題が出る可能性は十分あるため、本試験でも応用を利かせることができます。

とくに、出題範囲の広い会計学は、過去問対策が欠かせません。頻出論点を中心に学習時間を絞れるため、試験でも得点を伸ばせます。実際に、会計学にばかり学習時間を割いてしまい、他の分野に時間を使えず苦戦する人も多いです。その点、過去問を上手に利用すれば学習の効率化が図れるので、すべての分野をまんべんなく学習できるでしょう。

自分の苦手を見つけるのに役立つ

公認会計士の試験では、論文式と短答式がそれぞれ40%を下回ると不合格になる可能性があります。よって、苦手科目がある場合は、合格が難しくなるのです。

試験に合格するための近道として、まずは自分の苦手科目を知る必要があります。過去問を使って学習した時に特定の科目に難しさを感じた場合、なかなか点数が伸びない科目がある場合、それが自身の苦手科目であると気付けるでしょう。苦手科目が分かれば、あとはその科目を重点的に学習すれば良いのです。

苦手科目を把握できれば、テキストを熟読して知識にムラがないかを確認したり、問題集や過去問を繰り返すことで知識を定着させるなどの対策ができます。このように、過去問は自分の苦手科目を明確にして、よりスムーズに試験対策を行うのにも有効です。

あまり意味がない?間違った過去問対策とは

おすすめしない過去問対策1:同じ問題を繰り返し解く

過去問による試験対策はとても大切ですが、同じ問題を何度繰り返し解く必要はありません。なかには「過去問と同じ問題が出題されるかもしれないから、繰り返し学習しなきゃ」と思っている人もいるかもしれませんが、実際に過去問とまったく同じ問題が出されたことはほとんどないのです。

もちろん、公認会計士試験にもポイントとなる部分や頻出問題などはありますが、多くの場合は内容を少し変えて出題しています。過去の問題を丸暗記するくらいなら、答練や問題集を繰り返すほうが効果的です。

おすすめしない過去問対策2:本番直前に解く

過去問は現在の自分の実力を知るのにピッタリのアイテムです。しかし、これでは学習教材としての意味はほとんどなく、過去問の良さを活かしきせません。

過去問は、ある程度学習を進めた段階で過去問を使うのがベストです。できれば、単元が終わるごとに腕試しとして使用すると良いでしょう。これにより、これまでの学習の理解度を把握できますし、苦手な部分や今後の課題なども見つかります。また、本番を意識した学習にもつながるでしょう。

おすすめしない過去問対策3:解いて丸を付けて終わり

公認会計士試験の勉強をしている際、過去問を解いて丸付けをするだけで終わらせてしまう人がいます。そもそも過去問は問題を解くのが目的ではなく、見直しによって理解度を高めることを目的としているのです。そのため、間違った問題は「なぜ誤答してしまったのか」をしっかりと確認しましょう。

また、間違えた問題の復習だけでなく、正解した問題もきちんと見直してみてください。なかには解答の根拠が違っている場合があります。これらを分析することで、得意分野と苦手分野に気付くことも可能です。

正しい過去問対策の仕方

分野ごとに学習する

過去問は論文式と短答式に分かれており、さらに分野ごとにも分かれているため、やみくもにテキストや問題集を解くのではなく分野別に勉強するのが効率的です。分野別に学習を行えば、自分にとっての難易度や頻出論点を把握できますし、知識も定着しやすくなります。

この時、過去問を使用すれば出題形式のみならず分野別の学習も可能なので、手際よく確実に合格へ近付けることができるでしょう。

10年分の過去問を解く

過去問による学習効果の向上を目指す場合は、10年分程度は解くのが重要です。10年分くらい問題を解けば、出題頻度の高い問題において数多くのバリエーションに触れることができます。さまざまな考え方や論点の問題に触れれば、正しい答えを導き出しやすくなるでしょう。

また、10年分の問題を解くことで、出題されそうな問題を把握できます。重要な項目に対して多くの時間を使えるようになるため、学習の効率化にも役立つこと間違いなしです。

過去問のプラスアルファの活用方法

よく出る論点を把握する

公認会計士試験の過去問を解いていると、形を変えて毎年同じ論点を出題していることに気付けます。そのため、過去問は前年度のものだけでなく、複数年までさかのぼって解くのがポイントです。

よく出る論点が分かれば学習効率もアップするため、なるべく早くから過去問に触れるようにしてください。とくに公認会計士の試験勉強は長丁場となるので、「どこに重点を置くか」が非常に重要となります。

出題パターンを把握する

学習の中盤から終盤にかけての過去問の活用法として、問題の問われ方を確認するという点が挙げられます。それぞれの分野にける問題のパターンを知れば、覚えるべきポイントが明確になるでしょう。

公認会計士試験の具体的な出題方法は、定義・目的・理由・事例・具体例などさまざまです。過去問を解いていけば「どの分野にどのような問われ方を使っているか」などが分かるので、学習効果を高めるのにも役立ちます。

公認会計士試験の過去問はどこで購入できる?

公認会計士試験の過去問は、書店などで購入可能です。法改正などの論点にも対応している問題集も販売されているので、こちらも活用すると良いでしょう。

とはいえ、過去問は複数年までさかのぼって解かなければ、学習効率や理解度を高めることができません。しかし、何冊も購入するにはそれなりの費用がかかります。

「過去問に費用をかけたくない」と考えている人には、問題と答案用紙の無料ダウンロードがおすすめです。公認会計士・監査審査会の公式ホームページからダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。

公認会計士試験の過去問対策まとめ

公認会計士試験は、知識の豊富さや上手な時間配分を理解しているかよりも、得点に結びつく勉強ができているかが合格に関係します。過去問を活用すれば、学習によって身に付いた知識で点を取れるかを確実にチェック可能です。

これはテキストを使った勉強だけでは実現できないので、知識をきちんと活用できているかを確認するためにも過去問を有効活用すると良いでしょう。

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