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女性の公認会計士は就職・転職に有利!
女性の社会進出が進み、さまざまな分野で活躍する女性が増えてきています。公認会計士もそんな分野のひとつ。ここでは、女性の公認会計士のニーズを、年収やメリットの側面から見ていきましょう。
企業は長く働いてもらえるのは女性だと考えている
結論から先に言うと、女性の公認会計士のニーズは非常に高く、転職市場は完全に売り手市場と言い切れる状況です。その理由は、企業側が「男性よりも女性の方が長く働いてくれる」という認識を持っているからです。
会計士に限らず、士業のほとんどは男性。そして、それらの人々はいずれは企業から独立して自分の事務所を持つようになります。これに対し、女性は男性に比べて独立志向が少ないため、産休や育休といった女性が働きやすい環境を企業の中に作っておけば、同じ企業に長く務めたいと考えている女性は多くいるのです。
女性の公認会計士の年収は?
厚生労働省が2022年に発表した「賃金構造基本統計調査」によれば、男性の公認会計士全体の平均年収が677万円であるのに対し、女性では458万円となっています。年齢層で見てみると、50~54歳では男性の平均年収は695万円であるのに対し、女性は749万円と上回っています。また、60~64歳でも女性の平均年収が男性を上回っており、男性が599万円であるのに対し、女性は627万円です。
しかし、全体的に見ると女性の公認会計士の年収は男性よりも低い傾向にあります。特に、多くの女性が結婚・出産を迎えるタイミングである30代になると平均年収に落ち込みが見られることもわかります。
とは言え、国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」による女性全体の平均収入が2,930,000円なので、女性の公認会計士の収入は女性の職業の中では非常に高いほうだと言えるでしょう。
参考: 政府統計の総合窓口:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
女性が公認会計士になるメリットは?
年収が平均的に高い
女性が公認会計士になる代表的なメリットが、年収が高いことです。公認会計士の年収平均は女性で458万円というデータがあります。これに対し、日本における女性の平均収入は293万円となっているので、女性の公認会計士の年収は非常に高いと言えるのです。
参考: 政府統計の総合窓口:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
働き方を選べる
仕事を選ぶ際には、年収以外にも働き方の選択肢も重要になります。特に女性は、妊娠や出産といったライフイベントがあるので、それに合わせて働ける環境が理想的。その点、公認会計士なら、フルタイム以外にも非常勤やパートといったさまざまな働き方ができるので、その点でもメリットがあります。
産休後も復帰しやすい
女性にとって、産休後の復帰のしやすさも仕事を選ぶ際の大きな基準となります。公認会計士は、勤務形態の選択肢が多く、出産後の体調や育児の状況によって仕事の調整がしやすいので、産後の復帰がしやすい仕事だと言えます。
男女で評価に差が出にくい
職業によっては、女性は男性よりも低く評価されることもあります。しかし、公認会計士は男女で評価に差が出にくい職業なので、モチベーションを維持して仕事を続けられる環境が整っている仕事だと言えるでしょう。
転勤が少ない
一般企業であれば、強制的な転勤が命じられることがあります。しかし、公認会計士は転勤が少ないので同じ場所で働き続けやすいというメリットがあるのです。逆に、自分が転勤したい場合は全国の会計士事務所や海外の事務所に行くという選択肢があります。
日本公認会計士協会の女性会計士への取り組み
旧姓の継続使用
日本では、日本公認会計士協会が女性の公認会計士の普及のためにさまざまな取り組みをしています。旧姓の継続使用もそのひとつ。婚姻、離婚、養子縁組などで姓に変更があった場合、協会に申請することで旧姓で会計士としての業務を行うことができるのです。
復職に向けての研修/イベントの実施
日本公認会計士協会では、女性公認会計士の復職がしやすい環境を整えるために、復職に向けての研修やイベントを開催しています。これによって、退職していた間のブランクを埋めるとともに、専門知識のブラッシュアップができるようになっているのです。
業務をしていない間の会費免除
日本公認会計士協会では会員から会費を徴収しています。しかし、女性会員が出産や育児で長期間に渡って業務が行えない場合、会費を免除できる制度があります。
まとめ:女性の公認会計士はおすすめ
女性の公認会計士は、女性の平均収入を大きく上回る年収となっているので、収入の面では非常に魅力的です。また、出産や育児で退職したあとの復職がしやすい環境が整っているほか、正社員だけでなく非常勤やパートといった働き方を選べるので、女性が働きやすい職業だと言えるでしょう。