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公認会計士試験の足切り
このページでは公認会計試験の足切りについて基準や対策法をまとめました。足切りの基準は令和3年より一部変更されています。ぜひ参考にしてみてください。
短答式試験の足切りの基準
短答式試験の足切りの基準は公認会計士試験を実施している「公認会計士・監査審査会」によって定められています。令和4年公認会計士試験受験案内より引用します。
(5)合格基準 ①短答式試験 |
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総点数の70%を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、審査会は、1科目につき、その満点の40%を満たさず、かつ原則として答案提出者の下位から遡って33%の人数に当たる者と同一の得点比率に満たない者は、不合格とすることができます。 |
短答式試験の足切りの基準は令和3年より上記のとおりに変更されています。
つまり、得点が40%に満たない科目があったとしても、受験者の下位33%に当たる者より得点比率が高ければ足切りを回避できるということ。1科目でも満点の40%に満たないものがあれば足切りだった令和2年以前と比べると、基準がだいぶ緩和されています。
そもそも総点数が合格ラインの70%に達していれば、この足切りの基準に引っかかることはほぼありません。
論文式試験の足切りの基準
短答式試験と同様、論文式試験の足切りの基準も公認会計士試験を実施している「公認会計士・監査審査会」によって定められています。令和4年公認会計士試験受験案内より引用します。
(5)合格基準 ②論文式試験 |
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論文式試験の合格基準は、52%の得点比率を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、1科目につき、その得点比率が40%に満たないもののある者は、不合格とすることができます。 |
論文式試験については短答式試験のような足切りの基準の緩和はなく、従来どおり「1科目でも得点比率が40%未満であれば不合格」となっています。厳しいラインのように思えますが、実際足切りに合って合格を逃す人は少数です。
具体的に、令和3年の公認会計士試験の結果を参考に見ていきましょう。令和3年公認会計士試験に合格した人の得点比率は51.5%以上…でしたが、公表されている得点階層分布表には小数点以下の分布が掲載されていないため、合格基準の目安されている52%で考えていきます。
52%に到達していた方は1,289人、うち27人は40%未満の科目があり不合格となりました。割合にすると足切りにあった人は約2%しかいません。過去には1%未満だった年もあります。
参照元:参考元:公認会計士・監査審査会 令和3年公認会計士試験の合格発表の概要について[PDF]
足切りに合ってしまう原因と対策
上述のとおり、令和3年から短答式試験の足切り基準が緩和されています。論文式試験においても、足切りに合って合格を逃す方は2~4%ほどしかいません。
ただ、足切りに合う可能性がゼロというわけではありません。足切りに合ってしまう原因・ケースを知り、対策をとれるようにしておきましょう。
苦手科目の勉強をおろそかにし過ぎた場合
苦手科目があっても得意科目でカバーしたらいい…という考え自体は間違いではありませんが、かと言って苦手科目の対策をおろそかにし過ぎると足切りラインすら越えられず、合格を逃してしまう可能性があります。
どんなに苦手な科目でも最低でも40%以上、余裕を見て50%以上は取れるように対策しておきましょう。
マークミスをしてしまった場合
公認会計士試験の短答式試験はマークシート方式です。こんな大事な試験でマークミスなんてしないでしょ…と思われるかもしれませんが、大事な試験だからこそ、当日は非常に緊張します。普段やらないような凡ミスを起こさないとは言い切れません。その凡ミスが、合格の明暗を分ける可能性だってあります。
マークミスの対策として有効なのが見直しです。試験終了の10分前になると試験官がアナウンスしてくれるので、そのタイミングで必ず解答欄を見直しましょう。万が一マークミスが見つかっても10分あれば修正できます。
また、普段の模試から「10前の見直し」を行うことを癖づけるようにしましょう。意識を「問題を解く」から「見直しを行う」に切り替えたり、効率的に解答欄を見直したり、間違いを見つけたときに落ち着いて修正したり…というのは、ぶっつけ本番ではなかなか上手くいきません。普段から見直しをやっておけば、当日も焦らず見直し・修正できるはずです。